

「まだ早い」はもったいない?夏休みから始める過去問演習
このシリーズでは、大学受験や大学についてお伝えしていきます。一緒に学んでいきましょう。
今回のテーマは「過去問演習編」です。過去問演習は、人によって取り組む時期が異なり、受験生にとって悩みの種の一つだと思います。ここでは、私なりの見解や、効果的な取り組み方を詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
9割の受験生が知らない?!効果的な過去問の実施時期はいつ?
夏休みに入り、受験生はそろそろ中盤戦に差しかかります。今年も多くの受験生が相談に来てくれていますが、その中で特に多い質問が「過去問っていつから始めればいいの?」というものです。
「そろそろ過去問に手を出すべき?」 「まだ基礎が不安だから、もう少し参考書をやってからの方がいいのかな?」
このように迷っている受験生も多いでしょう。
近年の大学受験対策では、「夏休みに過去問を解く」ことが一般的になっています。私自身は生徒たちに、共通テスト10年分(5年分×2回)、二次・私大過去問10年分を、まとまった時間が取れる夏休みに進めるよう指導しています。なぜなら、過去問演習はただ解くだけでなく、時間配分や傾向分析、苦手分野の発見にもつながるからです。

過去問演習を夏に取り組むべき理由
過去問を1年分解くのに、どれくらいの時間がかかるか計算したことはありますか?共通テストなら1科目数時間、二次試験や私大入試なら1科目で半日近くかかることもあります。これを10年分行うには、相当な時間を確保しなければなりません。
夏休みは、受験生にとって唯一、まとまった学習時間を確保しやすい期間です。この時期に過去問を進めることで、秋以降は演習で見つけた弱点の克服や、より実践的な学習に集中できます
また、早めに過去問に触れることで得られるメリットは大きく、次のような効果があります。
- 試験の出題傾向や時間配分を体感できる
- 苦手分野や理解不足を早期に発見できる
- 学習の優先順位が明確になり、効率的な学習計画を立てやすくなる
この「早めの分析と修正」が、合格への大きな一歩になるのです。
夏に過去問演習を始めるための3つの条件
① 基礎固めがひと区切りついている
基礎が不十分だと、過去問で思うような結果が出ず、自己嫌悪や焦りにつながります。まずは主要科目の基礎をある程度固めてから取り組みましょう。
② まとまった時間が確保できる
過去問は、解くだけでなく復習や分析に倍以上の時間がかかります。夏休みのような長期休暇が絶好のチャンスです。
③ 秋以降の学習戦略が立てられている
夏に過去問を進めることで、秋は弱点克服や得点力向上に専念できます。逆に計画がないと、過去問を解きっぱなしで終わってしまうので注意が必要です。
これらの条件に当てはまる人は、今すぐ始めるのがおすすめです。秋以降は学校や模試で忙しくなり、時間の確保が難しくなります。夏に集中して取り組めるかどうかが、受験結果を大きく左右します。
まとめ
夏休みの過去問演習は、基礎力を実践力に変え、弱点を見つけるための最重要ステップです。「まだ早いかも…」と迷う時間があるなら、まずは1年分でも進めてみましょう。多くの過去問に取り組むことで分析力が高まり、弱点克服のスピードも上がります。さらに、早めに過去問に触れることで、本番に近い感覚を夏のうちに身につけられるのも大きなメリットです。
この夏の努力が、秋以降の学習効率と最終的な合格に直結します。ぜひ過去問演習を通して、自信と手応えを積み重ねていきましょう。

お知らせ
オンライン大学受験予備校JADEでは、「無料進学相談」を実施しております。
「塾・予備校費用を下げたい」「進路がなかなか決まらずに悩んでいる」など高校生の方のお悩み事がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
記事作成者

赤川 聡 (Satoshi Akagawa)
オンライン大学受験予備校 JADE
大学卒業後から現在に至るまで教育業界に従事し、中学受験、高校受験、大学受験部門にて指導。校舎長、新規事業部立ち上げおよび事業部長、執行役員などを経験。長年の指導経験に基づいた、生徒一人ひとりに合わせた指導力が強み。