大学の経済・経営学部を探検!

梁 晸宇ヤン ジョンウ 先生 【第1部】

※第2部~第4部は

こども経済メディア キッズノミクス12月初旬公開予定です!

はじめに

こどもと一緒に楽習する教育情報メディア「ACTIVE!」と社会・経済ニュースメディア「キッズノミクス」では、「好奇心を刺激する学び」をテーマに記事の配信に取り組んでいます。
今回は両メディアの共同企画「大学の経済・経営学部を探検!」と題した特集記事をお届けします。立命館アジア太平洋大学(通称APU: Ritsumeikan Asia Pacific University)様から「小・中学生や保護者様等のお役に立てるのであれば、ぜひ受けさせていただきます」とのご厚意により実現しました。

インタビューでは、APU国際経営学部准教授の梁 晸宇(ヤン ジョンウ)先生に、ご担当の会計・ファイナンス講座に対する思いや学生との関わり、そして学びに対する考えについてお話を伺いました。

子育て世代の皆さんにも共感いただける、こどもたちの学びに役立つヒントが詰まったインタビューです。会計やファイナンスの知識はビジネスの基本であり、どの職業にも役立つスキルです。先生の教育アプローチや、子どもたちの学びをサポートするアイデアをぜひお楽しみください。

インタビューにご協力いただいた先生

梁 晸宇(ヤン ジョンウ)先生


立命館アジア太平洋大学(APU)
国際経営学部 准教授

ソウル生まれ。韓国と日本での豊富な学歴とキャリアを持つ経営学の専門家。
韓国の大学で文学を学んだ後、日本の立教大学大学院で経営学修士号を取得。
その後には経営コンサルティングや内部監査の仕事を経て、現在はAPUで国際経営学部の准教授として、会計・ファイナンス分野の教育に従事。

梁先生私が所属しているのは国際経営学部です。この学部には4つの専門分野があります。それが、マーケティング、マネジメント、会計ファイナンス、そしてEOMです。

梁先生EOMとはアントレプレナーシップ(様々な困難や変化に対し、自ら枠を超えて行動を起こし、新たな価値を生み出す精神や姿勢)とオペレーションマネジメント(経営資源を最大限有効に活用し、目標達成を図る管理手法)のことを指しています。伝統的な要素と最新のホットな課題を組み合わせて学ぶ、非常に興味深い分野です。

この4つのパートごとに、いろんな科目や研究が行われているのですよ。

梁先生私は会計ファイナンスの分野で主に会計に関する授業を担当しています。

梁先生やはり経営学部なので、数字をよく整理できる学生もいれば、完全に文系で「数字が嫌い」という学生もいます。この割合は半分半分ぐらいですね。

会計ファイナンスは、ある程度数字を扱わないといけない分野です。その出発点が「会計学Ⅰ」という授業で、初めて企業の経営結果が数字としてレポートに表れるものを学びます。
この授業は、数字が得意ではない学生は苦手意識を持ち、必修科目なので仕方なく受講するという学生もいるでしょう。一方、数字に自信があって新しい領域に挑戦したいと思う学生も半分います。

「会計学Ⅰ」はしっかり理解しないと、金融論やファイナンス、高度な会計授業に進むことができません。会計というのはビジネスの言語で、細かい内容を積み重ねて学ばなければならないので、1回でも欠席すると大変なことになります。数学と同じように、手を抜くとその影響が出てきます。そのため、授業では半分ぐらいの学生が「厳しい」「苦しい」と感じているようです。

梁先生私は学生たちに「言語を学ぶのと同じように、アルファベットを覚える時にも単純な作業を繰り返して慣れていった経験を生かして、ここでも少しずつ慣れてほしい」と伝えています。反復作業に見えるかもしれませんが、どんどん進化していくので気を緩めず最後まで積み重ねてほしいと話しています。

多くの学生が合格しますが、一部は合格できないこともあります。しかし、最も嬉しい瞬間は、苦しかったけれども先生の指導に従ってやってきたことで会計の楽しさを感じ、「もっと進んでみたい」と言ってくれる時ですね。

梁先生そうですね、やはり子供には遊んでほしいと思っています。遊ぶことは大事です。

しかし、最近感じているのは、息子の教育について、親が思う通りにさせても、なかなかうまくいかないことが多いですね。子供自身が考えて「必要だ」と感じ、自ら決めたことを実行する練習ができると、大学に進んでも自主的な学習につながると思います。

梁先生その通りです。子どもたちは基本的に「なぜ勉強をするのか」という自分なりの理由を探し、親に言われなくても自主的に取り組めるようになると、難しい内容も理解しやすくなりますし、大学に来てからもその姿勢が大きな力になります。

目標に向かって計画を立てて実行する能力があれば、とても良いと思います。

梁先生会計の計算自体は、小学生でも十分理解できるレベルです。足し算や掛け算など、小学生のレベルのものであり、難しいことはありません。

でも、その段階で「私はもうダメかも」と感じる学生もいます。そこで私は「高度な数学ではないし、小学生が理解できるくらいの内容だよ」と伝え、まずルールをしっかり覚えれば、理解できるようになると励ましています。
数学が嫌いな子も多いかと思いますが、マイナスの態度は持たず、少しずつ挑戦してほしいですね。

梁先生はい。たとえ数字に弱いとしても、大学に来ればやり直しができる環境が整っています。

APUには「AMC(アナリティクス・マスマティクス・センター)」という組織があり、運営の中心は数学が得意で良い成績を取った学生たちです。彼らは図書館に常駐していて、予約なしでも数学の勉強で困っている学生を助けてくれます。

何度でも無料で利用可能で、多くの学生がこの支援を活用して数学を克服してきました。たとえ数学が全くできない学生であっても、APUに来ればやり直しができるということを強調したいですね。

立命館アジア太平洋大学 国際経営学部

梁 晸宇ヤン ジョンウ 先生 インタビュー

※第2部~第4部は

こども経済メディア キッズノミクス12月初旬公開予定です!

インタビューにご協力いただいた大学のご紹介

立命館アジア太平洋大学
874-8577 大分県別府市十文字原1-1

世界100カ国以上から集まる学生が共に学び、約半数が国際学生という多文化共生を体験できる場です。英語と日本語で学ぶ環境が整い、語学力と国際的視野が自然と広がります。企業連携やインターンシップも充実し、実践的な経験が積めます。少人数制の授業でディスカッションやフィールドスタディを通じ、問題解決能力を養うことができます。国際的な環境で成長したい方や、世界に羽ばたく力を子どもに持たせたい保護者に最適な大学です。