
次にご紹介するのは、自閉スペクトラム症の傾向がある田辺優斗くん(仮名)。出会ったのは小学校卒業間近のころで、HUCRoWを受けたのは中学2年生のころです。
親御さんは、「発達障害があるから、覚えたり書いたりするのが苦手なんだろう」と漠然と考えていたそう。苦手ではあっても、やはりスキルを学ぶ必要を感じ、HUCRoWを受けることにしました。
優斗くんの結果を見ると、言語領域の「ワーキングメモリ」の数値がとても低く出ました。単純な記憶はできても、「覚えながら考える」ことが苦手です。

音から情報を得るのは比較的得意で、単純に記憶することは苦手ではありません。文章もすらすら読めます。ところが、「どういう内容だった?」など、考える必要があると、とたんにわからなくなってしまいます。
また、HUCRoWの結果だけでなく、自閉スペクトラム症の傾向があることと、親御さんへのヒアリングから、抽象的な想像や他人の気持ちや心を理解することが苦手だとわかっていました。 そのため、説明文など内容が明確なものは比較的意味がわかりますが、物語の理解が難しく、「もっともだと思った」「はやしたてた」などの表現がどんな状況を意味しているかが、わかりません。「ケンカしたけど『星を見よう』と思って相手の家に遊びに行った」というお話を読んでも、「仲直りをしたい」という心情とつながらず「一緒に見ると楽しいと思ったから」と答えてしまうのです。
この状況を踏まえた 優斗君の「この後」については以下の記事をご覧ください。
https://note.com/wm_hucr0w_ewm0/n/n10bc372948a6
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