みなさんは、ごはんを食べきれずに残してしまったことがありませんか?また、お弁当の残り物、冷蔵庫で忘れられていた野菜、賞味期限が切れて捨てられたおやつなど、まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス」と言います

日本では、毎年500万トン以上の食べ物が捨てられているとされており、これは国民1人が毎日おにぎり1個分を捨てているようなものです。「もったいない」だけでは済まされないこの問題について、みなさんと一緒に考えてみましょう。

食品ロスは、家庭だけでなく、スーパー、コンビニ、レストランなどでも起こっています。スーパーでは見た目が少し悪い野菜が売れ残りやすく、コンビニでは賞味期限が近づいた商品が廃棄され、飲食店では、大盛りを注文して食べきれずに残す人もいます。

国や自治体、企業はこの問題に注目し、食品ロス削減のための法律やキャンペーンを実施しています。

私たちは日常生活の中で、食べ物をあたりまえのように手に入れ、あたりまえのように捨ててしまうことがあります。それらの食べ物は、たくさんの人の手や自然の恵みから生まれたものです。また、食べ物を作るには、水やエネルギー、農薬、輸送手段など多くの資源が使われており、食べ物を無駄にすることは、環境にも大きな負担をかけています。さらに、世界には十分な食事がとれない人々がたくさんいるという事実も忘れてはいけません。

「おいしいね」と言って食べられること自体が、実はとても貴重なことなのです。

課題解決に向けた取り組みの事例

東京都杉並区では、地域ぐるみで「フードドライブ活動」が行われています。これは、家庭で余った未使用の食品(レトルト食品や缶詰、乾麺など)を持ち寄り、地域の福祉施設や必要としている家庭に届ける取り組みです。

また、ある小学校では、給食の食べ残しを減らすために「もったいないチャレンジ週間」を設けて、子どもたちが食べきる工夫を発表し合いました。食べきることを「かっこいいこと」として捉えるようになり、残食率(残した割合)が大きく下がりました。

みなさんならどうする?

おうちの冷蔵庫の中を見て、「賞味期限が近いもの」「使い忘れている食材」はないかを探してみましょう。そして家族で「食べ残しを減らす工夫」について話してみるのもおすすめです。また、自分でお弁当を作ることで「食べきれる量」や「バランス」について考えるきっかけになります。

食品ロスはどこか遠い場所の話ではなく、私たち一人ひとりの生活とつながっている問題です。食品を欲している地域もあります。私たちが暮らす地球全体の課題として、ぜひ皆さんと一緒にこの問題について考え、行動を共にしたいと思います。