大学のこと・入試のこと「法学部」
このシリーズでは、大学受験や大学について詳しくお伝えしていきます。今回は「法学部」について、一緒に学んでいきましょう。
法学部とは
法学部は、主に弁護士、裁判官、検察官を目指す学生が学ぶ学部です。
法学部で学ぶこと
法学部では、法律の基礎から専門的な知識まで幅広く学びます。以下の科目が含まれます:
- 憲法
- 民法
- 刑法
- 商法
- 行政法
- 民事訴訟法
- 刑事訴訟法
これらの科目は、法律の基本的な枠組みを理解し、実際の法的問題に対処する能力を養います。
弁護士になるためのステップ
弁護士になるためには、以下のステップを踏む必要があります:
- 大学入学:法学部に進学し、基礎的な法律知識を学びます。
- 法科大学院入学:法学部卒業後、法科大学院(ロースクール)に進学します。法学部卒は2年間、他学部卒は3年間の課程です。
- 司法試験:法科大学院を修了後、司法試験を受験します。
- 司法修習:司法試験合格後、1年間の司法修習を受けます。
- 司法修習生考試:司法修習を修了するための考試に合格すると、弁護士資格が付与されます。
弁護士の仕事
弁護士の主な仕事は、法律の知識を駆使して依頼者の法的問題を解決することです。具体的には:
- 刑事・民事訴訟(裁判)
- 和解交渉
- 行政庁への不服申立て
弁護士の使命は基本的人権を守り、社会正義を実現することです。
法学部のある主要な大学
日本には多くの大学に法学部があります。代表的な大学をいくつか紹介します:
- 東京大学:全国トップレベルの法学部で、多くの法曹界のリーダーを輩出しています。
- 京都大学:法学部の歴史が長く、学問的にも実務的にも高い評価を受けています。
- 早稲田大学:実務に強いカリキュラムと豊富な研究機会が特徴です。
- 慶應義塾大学:企業法務や国際法務に強い人材を育成しています。
どんな人に向いているか
弁護士に向いている人の特徴は以下の通りです:
- 社会貢献意欲:法律の力で社会を良くしたいという情熱がある人。
- 精神的強さ:依頼者の人生や企業の運命を左右する重責に耐えられる人。
- コミュニケーション能力:依頼者の気持ちを理解し、適切に対応できる人。
- 語学力:特に国際案件に関わる場合には必須です。
勉強以外に必要なこと
弁護士を目指すには勉強以外にも重要な要素があります:
- 実務経験:インターンシップや法律事務所での経験が役立ちます。
- 人脈作り:法曹界での人脈は大きな財産となります。
- ストレス管理:精神的に厳しい環境で働くためのストレス管理能力。
進路フローチャート
進路を具体的にイメージするために、以下のフローチャートを参考にしてください。
高校入学
- 英語を中心に一般常識など将来を見据えた学習が必要
1
大学入学
- 憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の7科目を習得
2
法科大学院全国統一適性試験
- 試験に合格後、法科大学院に進学
3
法科大学院入学(2年)
- 専門知識を培い、得意分野を見極める
4
司法試験
- 法科大学院修了後に受験
5
司法修習(1年)
- 実務経験を積む
6
司法修習生考試
- 民事裁判、刑事裁判などの試験を経て弁護士資格を取得
7
さいごに
この記事では、法学部の詳細と弁護士を目指すためのステップについて紹介しました。法学部は法律の知識を深め、弁護士、裁判官、検察官などの法曹界のキャリアを目指すための基盤を築く場です。早めに進路を明確にし、必要な準備を進めることが成功の鍵となります。
次回は薬学部について見ていきましょう!
記事作成者
赤川 聡 (Satoshi Akagawa)
オンライン大学受験予備校 JADE
大学卒業後から現在に至るまで教育業界に従事し、中学受験、高校受験、大学受験部門にて指導。校舎長、新規事業部立ち上げおよび事業部長、執行役員などを経験。長年の指導経験に基づいた、生徒一人ひとりに合わせた指導力が強み。