
今さら聞けないけど知りたい!
大人の読解力ってどう鍛えるの?①
子どもの学力を気にかけていると「読解力が大切です」という言葉を何度も耳にするかもしれません。

「これって、子どもだけの話ではなく大人も同じだよね?」
と感じることはありませんか?
私たち大人は、日々膨大な情報にさらされながら仕事をしたり、日常生活を過ごしています。上司や顧客の意図を汲み取るメール、学校からの連絡文書、経済・政治・社会問題のニュースなど、社会を生き抜く力としての「読解力」は、むしろ大人こそ必要なのかもしれません。
そこで特に重要な2つのポイントに焦点を当てて、読解力を鍛えるヒントを探っていきましょう。今回は、1つ目【語彙を「意味」で終わらせず「イメージ」で覚える】をご紹介します。
語彙を「意味」で終わらせず「イメージ」で覚える
私たちは知らず知らずのうちに「意味を知っている=わかっている」と思い込みがちです。しかし実際は、「意味はなんとなく知っていてもピンとこない言葉」に毎日のように出会っています。たとえば、「内省的」「緩和」「断続的」「情緒的」などが挙げられます。言葉としての定義は理解できても、その言葉がどんな場面で使われるか、どんな感情や風景と結びつくかまでは思い描けていないのではなないでしょうか。

イメージで覚える「映像化」の不足は、文章を「読んだつもり」にさせてしまう原因の一つです。逆に言えば、語彙を使った「脳内再現力(メンタルイメージ)」が高まると、読解の深さが一気に変わります。
では、どのようにして鍛えるのか。今回は「映像化」を鍛えるトレーニングをご紹介します。
「映像化」を鍛える
まず、読書中に出てきた難しい言葉を自分の過去の経験や場面と結びつけて思い浮かべることです。例えば、「葛藤」という言葉が出てきた時には「あのとき、自分が育休を取るか迷ったあの気持ち」と置き換えると良いでしょう。

もう一つのトレーニングは「ビジネス記事の単語を日常会話に落とし込んでみる」練習です。
ビジネス記事の単語を日常会話に落とし込む
例えば、「利害関係者」という言葉が出てきた時には、「子どもの習い事に関する予算について夫と議論する時に登場するかも?」とイメージすることです。

このような「結びつき」の積み重ねが、意味のある理解へとつながります。
次回は2つ目の【読みながら考える-「問い」を持って読むクセをつける】をご紹介します。
