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教育情報メディア「ACTIVE!」x 社会経済ニュースメディア「キッズノミクス」共同企画
大学の経済・経営学部を探検!
龍谷大学 経済学部 上山美香先生 【第4部】
※第1部~第3部は
こども経済メディア キッズノミクス に掲載しています。
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はじめに
本物指向の教育情報メディア「ACTIVE!」と社会・経済ニュースメディア「キッズノミクス」では、「好奇心を刺激する学び」をテーマに記事の配信に取り組んでいます。
今回は両メディアの共同企画「大学の経済・経営学部を探検!」と題した特集記事をお届けします。
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今回のインタビューでは、龍谷大学経済学部の上山美香先生にお話を伺いました。
龍谷大学の経済学部は、実践的な力を身につけるために、理論を学ぶ一方で、現地を訪れて学ぶフィールドワークへの取り組みも重視しています。テーマの範囲も広く、興味のある分野を学生が深く学ぶことができます。途上国の研究や地域企業との連携、入学時から継続的な少人数教育が特徴です。特に1年生の少人数授業には、教員と1年生の間に立ち、1年生を支援する上級生「ピア・サポーター」が配置され、学年を越えた学生の学び合いを重視した独自の教育を展開しています。
上山先生の授業への取り組みや、学生たちがどのように社会で活躍できる力を身につけていくのかなどもを伺いました。
これから経済学を学びたいと考えている方や、お子さまの大学選びを考えている保護者の皆さんにとっても、興味深い内容となっています。
インタビューにご協力いただいた先生
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上山 美香 先生
龍谷大学
経済学部 准教授
専門は開発経済学で、途上国における多面的な貧困と経済発展、教育、健康といった人的資本の関係性に関する実証研究を進める。
また、ジェンダーと開発に関して、性別分業やジェンダー格差の地域比較にも取り組む。
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未来の経済学部生へ
~保護者様へのメッセージ~
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先生、今までのお話も含めて、これを読んでいる小学生や中学生、その保護者様に対して、どんなことをしておくと将来経済学に興味を持てるようになると思いますか?
上山先生:私は立派な子供ではなかったんですけど・・・(笑)、そうですね。とりあえず「やってみる」というのはすごく大事なことだと思いますね。何につながるかはわからないけれど、まず動いてみるというのは大きな意味があります。
私自身もたまたま経済学部に入ったのですが、子供の頃から漠然と途上国に興味がありました。それが高校生の頃、探究学習の一環でアジアのことを勉強したことで、もっと深く学びたいと思いました。でも、その頃はまだ自分が何をやりたいのかはっきりわからなかったですね。
それで、社会科学系の学部に行こうと思ったのですが、具体的に何学部が良いのかはわからず、なんとなく経済学部に入っちゃいました。でも最初は全然面白くなかったです(笑)。途上国のことを学びたいと思っていたのに、マクロ経済学とか経済史とか、私の関心と直接つながらないことばかりで…。
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それでも続けてこられたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
上山先生:はい、その後、途上国について学ぶ中で、ただ支援するのではなく、どうやって自分たちで成長できるかという視点が面白く感じるようになりました。
また、計量経済学との出会いが大きかったですね。それまでは抽象的なことを考えるだけでしたが、データを使って自分の主張を具体的に示すことができるようになりました。それがすごく面白くて。
でもその過程で、例えば統計学や英語など、苦手なことに直面することもありました。
私自身、英語が苦手だったのですが、途上国のことを学ぶには英語が必要で、逃げずに取り組まなければならなかった。それを克服することが、後々自分の成長につながったと感じています。
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それは、今の学生さんたちにも大事なことですね。途中で諦めないで、苦手なことにも挑戦することが未来につながる可能性がありますね。
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上山先生:そうですね。今の高校生たちには、数学や統計学に苦手意識を持つ子も多いですが、その先にある面白さを知るためには、少し踏ん張ってみてほしいです。
特に、小中学生の頃はとにかく興味を広げることが大事です。そして、日常生活で世界とつながっていることに気づいてほしいです。
たとえば、スーパーに行って商品を見たときに「このエビはどこから来たんだろう?」と興味を持ってみたり、TikTokで外国の人たちがその国の観光地を紹介している動画を見るのも良いと思います。そうやって少しずつ世界を感じることが、将来的に経済学にもつながるのかなと。
経済学部は理論的なことだけでなく、データを使った実証的な学びもできますし、現場での経験を通じて学ぶこともできます。ですから、「経済学部って面白そうだな」と思ったら、ぜひ挑戦してほしいです。
そして、入学後に学びの方向性を見つけていけば良いと思います。私たちもそれをサポートしたいと思っています。
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経済学部を卒業された方々のキャリアは幅広いのですか?
上山先生:はい、卒業生たちは本当にいろいろな道に進んでいます。
金融系に行く人もいれば、IT関連に進む人もいますし、地元に戻って地方銀行や公務員になる学生も多いです。それぞれが自分に合った道を見つけている感じですね。
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数学が苦手な子たちでも、経済学部でやっていけるのでしょうか?
上山先生:数学はできる方が幅は広がりますが、分野によってはそこまで高度な数学を使うことは少ないので、心配しなくても大丈夫です。
ただ、数学に対して完全に苦手意識を持たずに、少しだけでも向き合ってほしいですね。それが将来の選択肢を広げることにもつながりますから。
小中学生の時期にいろいろなことに興味を持ち、少しでも興味があることを掘り下げて学んでほしいです。それが経済学部での学びにもつながり、将来どのような道に進むかのヒントになると思います。
例えば子どもに「部屋の中のものを集めて、それがどこの国から来たのか調べてみて」といった課題を出すのはすぐにでも実践できる取り組みですよ。子どもたちは好奇心の火がつくと、一気に集中して取り組むので、ぜひこのようなことから興味や関心を高めるきっかけにしてみてください。
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先生の貴重なお時間をいただき本日はありがとうございました!
あとがき
龍谷大学経済学部の上山美香先生へのインタビューを通じて、経済学部の魅力がより一層感じられる内容でした。経済学部は、社会を広く捉え、データに基づいた分析力を身につけながら、実際の現場での経験を重ねて成長していく学問なのですね。
龍谷大学経済学部では、少人数教育を通じて、学生一人ひとりが主体的に学び、地域や世界とのつながりを意識しながら学問を深めていくことが可能です。経済学の学びは、理論と実践を結びつけ、自分の可能性を広げる貴重な体験となります。
保護者の皆様には、お子様が将来、経済を通じて社会に貢献できる力を育てる環境として、経済学部を選択肢に入れていただくのも良いのではないでしょうか。高校生の皆さんも、社会の仕組みを理解し、未来を切り開く力をつけるための一歩として、龍谷大学経済学部での学びをぜひ考えてみてください。
上山美香先生、ワクワクするような経済学の魅力をお話しいただきまして、ありがとうございました。
龍谷大学経済学部
上山 美香 先生 インタビュー
※第1部~第3部は
こども経済メディア キッズノミクス に掲載しています。
インタビューにご協力いただいた
大学のご紹介
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龍谷大学
612-8577 京都市伏見区深草塚本町67
龍谷大学は、創立380年以上の歴史を誇る、日本で最も伝統的な大学の一つです。仏教精神を基盤とした「共生の理念」を重視し、幅広い学問領域で実践的な教育を提供しています。
経済学部では、現代経済や国際経済、開発経済を深く学ぶことができ、社会問題の理解と解決を目指す幅広いプログラムを用意しています。少人数教育を取り入れ、学生一人ひとりの主体的な学びを支援し、理論と実践を結びつけた教育が特徴です。また、地域社会との連携やフィールドワークを通じて、現場での経験を大切にしながら学ぶことができます。
創業100年以上の企業で構成される 「京都老舗の会」と380年を超える歴史を紡ぐ龍谷大学の共同プロジェクト
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-14839.html
京都府および府の「京の老舗」制度で顕彰された創業100年以上企業をメンバーとする「京都老舗の会」と、京の地で400年の歴史を紡ぐ龍谷大学の共同プロジェクト第1弾
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-14845.html