『ワーキングメモリと教育』(湯澤正通・湯澤美紀編著)には、

  • 言語的短期記憶とワーキングメモリが共に小さい小学三年生のA児
  • 言語的短期記憶は年齢相応であるがワーキングメモリが小さい小学四年生のB児

の二名を対象とした語彙学習支援を行いその効果を検討した記述があります。
結論としては『語彙の定着には、子どもの認知的特性や学習経験に応じた複数の支援技術の活用が必要なる』とまとめられています。

「りゅうぼく」を例に挙げます。
意味的なイメージを定着させるために、視覚的に理解しやすい「場面を表した文」をプリント上に提示し、「橋に(りゅ○○○)がひっかかった」(ヒント:流れてきた木)のように、学習する単語は伏字で示され、こたえは支援者から音声で伝えることで、子どもは語頭の文字と単語の意味とをヒントにしながら単語を学習したようです。

1年後、2年4か月後の再テスト時においても「音のイメージ化」を通して言語的短期記憶の小ささを長期記憶で補うことができたようです。

何度も「書いて覚えなさい」という、作業を強いるだけの学び方には限界があることをあらためて思い知らされました。

記事作成者

秦 有樹

株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役 / 株式会社学研エデュケーショナル 取締役 / 一般社団法人こども未来投資プロジェクト 理事

大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。株式会社全教研では新規事業担当として国内および東南アジア8カ国でプログラミング講座「プログラミング道場」の普及に従事。株式会社学研エデュケーショナル社外取締役として「ことばパーク」のサービスリリースに関わる。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上#1を獲得)