子真生会富山病院心療内科の明橋大二先生が書かれた「敏感さをもつ子どもたちHSCへの理解」を引用します。

「HSC」とは「High Sensitive Child」の頭文字を取った「ひと一倍敏感な子」を意味します。だいたい5人に1人くらいの割合でいると言われており、病気や障害ではなく「もって生まれた特性」です。子どもたちに関わる人がこの「HSC」を理解することは発達障害への理解と同じくらい重要です。

「感覚的に敏感」とは、具体的に次のような敏感さを持っています。
・ちょっとした物音も聞きつける
・においや味に敏感
・肌触りに敏感(チクチクしたものが苦手)
・人の気持ちに気が付く
・異変に気付く
・危機察知が早い

また、人が気にしないところにまで気になるのも特徴の一つで、特に集団場面で疲労感を覚えることもあります。HSCへの対応の基本は「本人のペースを尊重する」ということですが、全ての子どもにとって必要な配慮だと考えています、と締めくくられています。

こどもの教育を取り巻く環境は大きく変わっています。「個別に最適な学び」「協働的な学び」、「インクルーシブ教育」など、私たち大人が子どもの頃にはほぼ見聞きしなかった教育の実現や普及が図られています。いままで以上に子ども一人ひとりと向き合う大人の姿勢、環境づくりが求められています。

子どもの特性のひとつに「HSC」がある、ということを知ることが、子どもとより深く向き合う第一歩になると考えます。

記事作成者

秦 有樹

株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役

大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)