学習障害(LD)や発達障害(ADHD・ASD)など、外からは見えにくい困難を抱えた子どもたちが増えています。保護者様や先生方など「子どもの学習」に関わる方自身が「気づく力」を持ち、その子に最適な支援方法やサポート方法を工夫することが大切です。

この特集記事は、一般社団法人ワーキングメモリ教育推進協会のご協力のもと、『未来の先生へ』(湯澤正通:広島大学大学院教授、野瀨まなみ:一般社団法人ワーキングメモリ教育推進協会理事 共著)から引用してお届けします。

発達障害とは

「発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。」

(発達障害者支援法 (定義)第二条より抜粋)

なお、現在、自閉症とアスペルガー症候群は、「自閉スペクトラム症(ASD)」に統一され、注意欠陥多動性障害は、「注意欠如・多動症(ADHD)」と呼ばれています。
学校現場では、注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)などの特性を持つ子どもたちがいます。これらの子どもたちは、集中力の維持が難しい、社会的なスキルに課題があるなどの特徴を持っています。こうした特性を理解し、適切な支援をすることで、子どもたちは自分のペースで学ぶことができるようになります。
例えば、ADHDの子どもには、授業中に集中しやすくなるように、短時間で区切ったタスクや休憩を取り入れると効果的です。また、ASDの子どもには、予測可能なスケジュールや視覚的なサポートを提供することで、安心して学習に取り組むことができます。
このように、子ども一人一人の特性を理解し、その子に合った支援を行うことが重要です。

発達障害の特徴と行動の傾向と配慮・対応策

自閉スペクトラム症は発達障害の一つで、対人関係の苦手さや強いこだわりを特徴とします。
具体的には、「コミュニケーションの難しさ」「こだわりの強さ」「感覚の過敏さや鈍さ」といった特性があります。人との関わり方に独特な傾向が見られ、誤解されたり、トラブルになったりしやすいこともありますが、適切な理解とサポートがあれば、自分の強みを活かして過ごすことができます。

① コミュニケーションの難しさ
相手の気持ちを察するのが苦手で、空気を読めないと誤解される
冗談や比喩をそのまま受け取り、会話がかみ合わないことがある
先生が指示を「いつもと違う言い方」で言うと、理解できないことがある

② こだわりの強さ
毎日のルールや決まりごとが変わると、不安になり混乱する
自分の好きなことに強い興味を持ち、それ以外に関心を示さない
スケジュールが変わると気持ちの切り替えが難しく、パニックになる

③ 感覚の過敏・鈍麻
音や光、匂いに敏感で、教室のざわめきが気になってしまう
服の素材や食べ物の食感に強いこだわりを持つ
逆に痛みや温度に鈍感で、ケガをしても気づかないことがある

指示はわかりやすく、一貫性を持たせる

 (「昨日と同じルール」であることを明確に伝える)

予定変更は事前に伝え、視覚的に示す

 (スケジュール表やカレンダーを使う)

感覚過敏がある場合は、可能な範囲で調整

 (静かな環境を作る、イヤーマフの使用を許可する)

本人の得意なことを活かす機会を作る

(特定の分野で力を発揮しやすい)

  • ADHD・ASDの子どもは、本人の努力ではどうにもならない特性を持っていることを理解する
  • 「みんなと同じ」ではなく、「その子に合った学び方」を考えることが大切
  • 特性を活かした役割を見つけることで、子どもの自信を伸ばせる

発達障害の特性を持つ子どもは、環境が合えば驚くほど力を発揮します。
先生のちょっとした配慮で、子どもたちの可能性を大きく広げることができます。

次回の本特集記事では、先生が子どものお困りごとに「気づく力」を持つために、具体的なポイントをお伝えします。

記事協力:
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