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「1辺が12cmの正方形と面積が等しい長方形をかきます。長方形の縦の長さを8cmにすると、横は何cmにすればよいでしょう。」
この問題に不正解だった児童への間違い直しはいかに進めると良いでしょうか。
ここでは様々なアプローチが考えられますが、まずは、児童が立てた立式を見ることや、児童が描いた図や絵を探すと良いでしょう。そのうえで、以下を順番に見て、つまずいているところを見つけることをお薦めします。
①問題を読んでそもそも意味が分かっているか(「1辺」「正方形」「面積(が等しい)」「長方形」…)
②問題を図に表すことができているか
③正しく立式ができているか
④計算間違いがないか
②であれば、視空間性のワーキングメモリが弱いのかもしれません。
③、④であれば、言語性のワーキングメモリが弱いのかもしれません。
①や②につまずきがあれば、ここを徹底してサポートする必要があります。
①②を飛ばして③に取り組むことは間違い直しとして不十分です。
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このように、たったひとつの問題の間違い直しから、児童のサポートを実りあるものにできます。
お子様(生徒様)のワーキングメモリの個性に合った間違い直しを心がけると良いでしょう。
記事作成者
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秦 有樹
株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役
大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)