子どもの学習に携わる私たちにとって、学校教育の方向性を知ることはとても大切なことです。

新学習指導要領が既にスタートしていますが、学校教育法では、以下が定められています。

『第30条 2 前項の場合においては,生涯にわたり学習する基盤が培われるよう,基礎的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくみ,主体的に学習に取り組む態度を養うことに,特に意を用いなければならない。』

学校教育法

学力の重要な3つの要素として、

  (1)基礎的・基本的な知識・技能

  (2)知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等

  (3)主体的に学習に取り組む態度

が示されています。

「知識の量」だけではなく「知識を活用する力」も大切で、そうした能力をはかるための新傾向のテストが始まっています。

これから求められる学力観について『論理の力』(出口汪 著 水王舎)には、以下のように書いています。

自分の未来を切り拓くためには、氾濫する情報の中から適切な情報や課題を見出すための「読解力」が必要です。そして、課題解決策を筋道を立てて考えるための「思考力」、さらにその解決策をあらゆる人に伝え理解してもらうための「表現力」が必要です。この3つの力を支える土台が「論理」です。

『論理の力』(出口汪 著 水王舎)

高校ではこれまで「現代文」として扱ってきた評論と文学を、新しい学習指導要領のもと「論理国語」「文学国語」という2つの科目で学ぶことになっています。

子どもには、訓練することで身につく「論理」を身につけ、これからの時代を切り拓くひとつの武器としてほしいと思います。この夏休みに「論理」の訓練を始めてみるというのはいかがでしょうか。

記事作成者

秦 有樹

株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役 / 株式会社学研エデュケーショナル 取締役 / 一般社団法人こども未来投資プロジェクト 理事

大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)