こどもの読解力を高めるには、「語彙力」と「ワーキングメモリ」がカギとなります。「語彙力がカギ」とは「語彙の量を増やす」だけではありません。

「語彙力」を以下の4つに分類して捉えることが大切です。

  • 【知識力】語句の意味やその内容について知識を持っている
  • 【語彙量】多様な場面で理解したり使ったりする多くの語を持っている
  • 【言語感覚】語の持つ、また語に対する正誤、適否、美醜などを感得し、適切に使っている
  • 【言語操作力】認識を深めたり、正しく表したりするために語を適切に使っている
『語彙-言葉を広げる-』日本国語教育学会監修

これらの4つは「①②語彙の知識」と「③④語彙の運用力」と分類できます。このように「語彙力」を捉えることで、語彙の知識を増やしながら運用する力も身につけることが「読解力を高めるひとつのカギ」となります。

「語彙力」を身につけるための一例をご紹介します。

ある言葉を辞書で調べたら、その前後にある言葉も見てみるというものです。これにより、1語調べることで3語触れることになります。辞書には「用例」があります。「用例」を通して、【言語感覚】や【言語操作力】も身につくことでしょう。

このように、身近なものを使い「語彙力」を育むと良いでしょう。

記事作成者

秦 有樹

株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役 / 株式会社学研エデュケーショナル 取締役 / 一般社団法人こども未来投資プロジェクト 理事

大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)