『教室の中のワーキングメモリ』(河村暁、明治図書)には、漢字の「読み」と「書き」について以下のようにわかりやすく解説されています。(一部表現を変えています)

日常生活や学習の中では様々な種類の情報を一時的に記憶することが繰り返されています。その際には言葉にしたり絵のようなイメージにしたりします。

  • 言葉について覚えるのは「言語領域」
  • 形や位置について覚えるのは「視空間領域」 と呼ばれています。

様々な学習の中にも「言語領域」と「視空間領域」が含まれており、漢字の学習を例にすると、漢字の「読み」学習では「船」という字形(視空間領域)に対して、「ふね」という音(言語領域)を結び付けて覚えます。

算数では、「□」という形(視空間領域)に対して、「せいほうけい」という音(言語領域)を結び付けて覚えます。

「言語領域」と「視空間領域」は、脳のワーキングメモリの特性として分けられます。
漢字の学習においては、

  • ワーキングメモリの言語領域が弱い子どもは漢字の「読み」学習
  • ワーキングメモリの視空間領域が弱い子どもは漢字の「書き」学習

に困難を示すことがあります。なお、漢字が読めない子どもは書きも困難です。

このようにワーキングメモリの特性を大人が把握することは、子どもの学習をスムースに進めるうえでとても大切なことです。

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記事作成者

秦 有樹

株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役

大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)