国立情報学研究所 新井紀子氏による教育再生実行会議の資料がインターネットで公開されています。

新井氏は、ビジネス書大賞2019大賞受賞となった『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新聞社, 2018)等の書籍の発行や講演会、セミナー等で『AIと読解力』に関する発信をしておられます。

興味深いのは、AIは意味が理解できない(大規模データと深層学習によりできることもある)にもかかわらず、意味が理解できるはずの高校生がAIに敗れるのか、という展開です。

そして、新井氏による読解スキルテストRST(Reading Skill Test)の結果から、測定された読解能力により進学できる高校の偏差値を決定している可能性が高い、としており、以下のように締めくくられています。

中学を卒業するまでに中学校の教科書を読めるようにすることが公教育の最重要課題である

AI時代を生きるための『読解力』とは
国立情報学研究所 / (社)教育のための科学研究所
新井 紀子

私がこの資料を目にしたのは2021年でした。2024年となったいまでは、ChatGPT等の生成AIが超難関の国家資格にも合格するほどの進化を遂げています。

教科書をしっかりと読むことができない子どもは、自身の読解力を高める一方で、AIを使いこなすことも社会から求められています。

難しく考えることはありません。国語・読解力という言葉に惑わされず、「聞く」「話す」「読む」「書く」の言語活動に地道に取り組むことから学習を始めていきましょう。

記事作成者

秦 有樹

株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役

大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)