『取り戻せ!教育力』(向山洋一著)には、「教師が絶対に理解しておくべきこと」として、『「できない子」のかなりの割合を発達障害の子どもが占めている事実』を挙げています。
個人差があることをことわったうえで、ADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもたちに共通してみられる特徴として、指先が不器用であること、いわゆる「微細運動障害」があり、それは「軍手を二枚はめて物を扱う」感覚だと専門の医師が例えています。
多くの教師は、「軍手を二枚はめて物を扱う」感覚の子どもたちがいることに気づくことなく授業を進めているため、約一割の子どもたちは、授業への参加そのものができていないのです。
微細運動障害の子どもは、漢字の習得で苦労をします。文字を書く時、親指と人さし指の先端が微妙に屈伸運動をするものですが、微細運動障害の子どもはこの微妙な動きができないため、枠の中に文字が入らず、はみ出ているのです。
「指書き」から覚えるように指導することで、子どもは学習にスムースに取り組むことができるでしょう。私たち大人がこのような子どもの事実を知り、一人ひとりに適した学習のサポートをすることが今まで以上に求められています。
記事作成者
秦 有樹
株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役
大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)