こどものみならず、私たち大人も日常的に「意味調べ」をしています。

しかし、大人のそれは、辞書を使っての「意味調べ」とは異なり、Yahoo!やGoogleの「検索キーワード」を使い、短時間で「答え」にたどり着くための「意味調べ」ではないでしょうか。

電子辞書などを使い、ネットを使わず言葉の意味にピンポイントでたどり着くツールをこどもたちも持っています。大人もこどもも、日々忙しく、限られた時間内に「効率よく」「短時間で」取り組めるものがスタンダードとなっています。

一方で、語彙を増やして表現力を高め続けるためには「紙の辞書」は欠かせないと考えます。「紙の辞書」では、調べた言葉の周辺に新しい発見や気づきが多々あります。

例えば、「みけねこ(三毛猫)」を調べるとします。
すると、その前には「みけつ(未決)」が、その後には「みけん(眉間)」があり、「みけねこ」の意味調べを通して3語知ることができます。
少し前には「ミクロ」など科学でよく見かける言葉も掲載されています。
(新レインボー小学国語辞典P.1227)

こうした偶然に近い出会いのようなものを楽しめるのも「紙の辞書」の醍醐味であり、「意味調べ」に意味があるといえるのではないでしょうか。

いまあらためて、私たちはこどもたちにその意味を伝えて、こどもたちがより豊かな語彙力と表現力を身につけながら成長してほしいと願っています。

記事作成者

秦 有樹

株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役 / 株式会社学研エデュケーショナル 取締役 / 一般社団法人こども未来投資プロジェクト 理事

大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)