ひらがな、カタカナや漢字、数字の読み書きができる、たし算ができる、時計が読める、九九が言えるなど、小学校の内容を先取りしていることはとても重要なことです。
しかし、次のように、学習そのものに参加ができないことにより、つまずきや学習に困難を抱える子どもも多く見られます。

  • 遊びモードから勉強モードへの気持ちの切り替えができない
  • 周りの物事に気が散って授業に集中できない
  • 一時間も椅子にまっすぐな姿勢で座っていることができない
  • 隣の席のお友だちに昨日見たテレビの話をしたり、自分の思うタイミングで話をしたりする

学習・授業内容を理解・習得・活用するには、「学習・授業などに参加する」ことが大前提となります。「学習・授業に参加する力」は、児童期の学校での学習が成り立つための土台となる大切な力なのです。

この「参加」とは、「うちの子は座って授業を聞いています」といった「型」のお話ではなく、以下を指しています。

  • 切り替え
  • 抑制
  • 更新

この3つには「ワーキングメモリ」が関わっており、「ワーキングメモリ」や児童期の学校での学習の基礎となる「参加する力」に大きく関っている「実行機能の働き」には、情動が強く影響することがわかっています。親子関係や周りの大人とのきずな(愛情)によって、子どもの心が安定し、「ワーキングメモリ」や「実行機能」が適切に働きます。

親子関係や周りの大人とのコミュニケーションを通して、きずな(愛情)を築き、子どもの心を安定させ、「ワーキングメモリ」や「実行機能」がしっかり働くような関係作りをしていきましょう。

記事作成者

秦 有樹

株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役

大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)