「線を引く」から見えること
大森 修 著の『個別支援に応える算数ワーク図形編』には、図形を書くことの大切さを以下のように解説しています。
『例えば、定規を当てて線を引くとき、
- 線の途中で定規から鉛筆が離れて直線にならない
- 線の途中で定規が動いてしまい、曲がる
- 線が短かったり、長かったりしてしまう
このようになるのは、視線の移動に問題があったり、定規を押さえる手と鉛筆を動かす手との協応運動に問題があったりするからだ。図形(作図)の学習では、協応運動が最大の課題である。この課題を緩和するには、どのようにしたらよいのか。図形の学習は「空間認知」がポイントだと算数指導に堪能な教師はいう。
(中略)
図形の学習こそ、「作業で分かる」が必要ではないか。つまり、図形をかくことで分かる、である。』
しっかりと図形を書くことができるまで時間をかけることも学習です。定規を当てて線を引くという作業は、ほんの僅かな時間でできます。わたしたち大人は、この僅かな時間でできることに目を配ることが大切なのです。
記事作成者
秦 有樹
株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役 / 株式会社学研エデュケーショナル 取締役 / 一般社団法人こども未来投資プロジェクト 理事
大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)