『ほめることは効果がありますか?』

という問いに対して、心理学博士の榎本博明さんは次のように答えています。

10~12歳の子どもに簡単な知能テストのような課題をやってもらい、終了後に3つのグループにわけて褒めてみました。

①こんなに成績良いのは頭が良い証拠だ
②なにも言わない
③成績が良いのは一生懸命頑張ったからだ

そのうえで、次にやってもらう課題として2種類を用意しました。

・確実にできる簡単なもの
・難しいけどやりがいのあるもの

さて、①~③の子どもはどちらの課題を選んだでしょうか?

①の「頭の良さ」を褒められた子は約7割が「簡単な課題」を選びました。
③の「頑張り」を褒められた子は約9割が「難しい課題」を選びました。
②は半々でした。

①の子は「自分はできる子だという期待を裏切りたくない」と思い、「守り」に入ってしまいます。一方、③の子は「もっと頑張らなくちゃ」と意欲が出ます。

これは、むやみに褒めると逆にマイナスになることが示された実験です。榎本さんは「結果にとらわれすぎるのではなく、その過程を褒めることが重要です。」と締めくくっています。

記事作成者

秦 有樹

株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役

大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)