『受験と進学の新常識』(おおたとしまさ著, 新潮新書)には、「世界標準の思考力」として首都圏中学模試センターが公開している「思考コード」が紹介されています。
知識や思考力という概念に枠組みを与える試みとして海外(特に欧米)では、B.S.ブルームらが開発した「教育目標分類学(通称ブルームタキソノミー)」に基づき教育到達目標が設定されています。
先にご紹介した「思考コード」はこの概念を取り入れており、日本においても体系的に思考力を育てる取り組みが始まっています。
「ザビエル」を例に、A1の枠にある「ザビエルを知っているか」に始まり、Aの列を上に進むにつれて知識・理解の深まりを問う問題例が示されています。
B列の問いでは、Aでの知識がより応用され、B3へと上に進むにつれて論理的に説明させるところまでが問われています。 C列の問いでは、上に進むにつれてより創造的な思考力が問われる問題となっています。
このように、「思考のレベル」が評価されるようになり、大学入試もこの「思考コード」に対応していくことでしょう。「偏差値」のみならず、「思考コード」で子どもの学力が問われる時代に既に突入しています。
記事作成者
秦 有樹
株式会社Progress CEO / 株式会社インフィニットマインド 代表取締役
大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発など幅広く職務に従事する。
2023/9/11 「ワーキングメモリを鍛える ながら脳トレ30」を出版。(4書店でビジネス書部門売上No.1を獲得)